呉市は、かつての海軍の街として知られる歴史的な港町です。その歴史と共に育まれてきた独自の食文化は、今も市民に愛され続けています。海軍カレーをはじめとする名物料理から、新しい世代が生み出す創作グルメまで、呉の食の魅力をご紹介します。
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海軍カレーの系譜を巡る
呉の代名詞ともいえる海軍カレー。旧海軍から受け継がれたレシピをもとに、各店が工夫を重ねて作り上げた一品です。ポークやビーフをじっくり煮込んだルーは、スパイシーでありながらも懐かしい味わいを持ちます。
老舗「てっちゃん」の海軍カレーは、創業当時から変わらない製法で作られています。特製のデミグラスソースを使用したルーは、コクと深みが特徴。トッピングには、ボイルした玉子とらっきょうが添えられ、まさに昭和の味を今に伝えています。
「暖暮」では、現代風にアレンジした海軍カレーを提供。伝統的なレシピを基本としながら、スパイスの配合を現代人の好みに合わせて調整しています。特に野菜のうまみを活かしたルーは、女性客からも高い支持を得ています。
新鮮な海の幸を味わう
瀬戸内海に面した呉では、新鮮な魚介類を使用した海鮮料理も見逃せません。中通の市場では、その日の朝に水揚げされた魚介類を使用した料理を楽しむことができます。
「すし通り」と呼ばれるエリアには、地元で水揚げされた魚を使用する寿司店が集中。中でも「大漁」の大将おまかせセットは、その日一番の魚を職人の技で楽しめる一品です。
「魚屋の居酒屋」では、市場から直接仕入れた魚を、刺身や焼き物で提供。特に冬場の「かきづくし」は、地元産の牡蠣を様々な調理法で味わえる人気メニューです。
地元で愛されるB級グルメ
呉には、地元の人々に愛され続けるB級グルメも豊富です。「呉冷麺」は、戦後、朝鮮半島からの引揚者が伝えた味を元に、呉独自の進化を遂げた一品。「みんみん」の冷麺は、あっさりとした冷たいスープと、コシのある麺が特徴です。
「呉氏」は、戦前から続く老舗の味。濃厚なスープと手打ち麺の組み合わせは、地元の人々の胃袋を掴んで離しません。特に「末広軒」の呉氏は、創業当時からの製法を守り続けており、多くのファンを持っています。
カフェで過ごすゆったりとした時間
歴史ある街並みの中に、新しいカフェ文化も根付きつつあります。「港町カフェ」は、大正時代の建物を改装したおしゃれな空間。窓からは港の風景を眺めることができ、ゆっくりとした時間を過ごせます。
「COFFEE PORT」では、地元のロースターが焙煎したコーヒーと、手作りスイーツを楽しめます。特に、海軍カレーをイメージしたカレーパンは、老若男女に人気の一品です。
夜の呉を楽しむ居酒屋巡り
仕事帰りの市民で賑わう居酒屋街には、個性的な店が軒を連ねています。「漁師の台所」では、その日の水揚げを中心としたメニューを提供。特に、地元漁師から直接仕入れる魚の干物は絶品です。
「昭和横丁」と呼ばれるエリアには、昔ながらの大衆酒場が残っています。カウンター越しに交わされる常連客との会話は、呉の下町情緒を感じさせます。
食べ歩きのためのアドバイス
呉のグルメを楽しむためには、以下のポイントを押さえておくと良いでしょう。まず、海軍カレーは各店で味が異なるため、複数の店を食べ比べることをおすすめします。
海鮮料理は、朝市が開かれる日がおすすめ。新鮮な魚介類を、より手頃な価格で楽しむことができます。また、牡蠣のシーズン(10月〜3月)は、地元産の牡蠣料理が各店で提供されます。
まとめ:歴史と共に育まれた食文化
呉の食文化は、海軍の歴史と共に育まれ、地域の人々によって大切に受け継がれてきました。伝統的な味を守りながらも、新しい取り組みも積極的に行われており、訪れる度に新しい発見があります。
この記事を参考に、あなたも呉の食の魅力を探訪してみてはいかがでしょうか。きっと、忘れられない味との出会いがあるはずです。
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